国税庁はこのほど、令和元年度税制改正に伴う「相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)」を公表した。
なかでも民法改正により令和2年4月1日から施行される「配偶者居住権」について、“配偶者居住権が合意等により消滅した場合”として、設例(イメージ)を添えて説明している。
配偶者居住権は、定められた存続期間の延長や更新はできないと解されているが、被相続人の配偶者と建物の所有者との間の合意若しくは配偶者居住権の放棄又は民法第1032条第4項の規定による建物の所有者の意思表示によって、配偶者居住権を消滅させることができる。そのとき、配偶者が金銭の支払いを受ける合意が成立する場合には、配偶者居住権を事実上換価することができるとされ、その対価を支払わなかったとき、又は著しく低い価額の対価を支払ったときは、居住建物等を使用収益する権利が移転したものとし、原則相続税法第9条の規定により、使用する権利(敷地利用権)の価額に相当する利益に相当する金額を、当該配偶者から贈与により取得したものとみなすと留意的に明示した。さらに配偶者の死亡もしくは満了、焼失による消滅の場合は適用はないとしている。
■参考:国税庁|相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)|
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sozoku/191028/index.htm