会社法の一部を改正する法律案などが国会に提出された。同法案には自社株式等を対価とするM&Aについて新たに「株式交付制度」を創設することなどが盛り込まれている。
経済産業省は、同法案提出前に決定された「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」を踏まえ、2年度税制改正要望で、迅速かつ大胆な事業再編を円滑に実施できるよう、欧米諸国で一般的に用いられている自社株式等を対価としたM&Aについて、対象会社株主の譲渡益に対する課税繰り延べ措置を創設することを要望した。要望は、株式対価M&Aには▽買い手(買収会社)において、規模の大きなM&Aの場合、もしくは設備投資や賃上げなどに手元資金を利用したい場合、大胆なM&Aが可能となる▽売り手(対象会社株主)において、M&Aを通じてより企業価値を高める取り組みをしている企業の株式を保有することができ、投資資金を成長期待の高い企業に移すことができる―とその意義を説明。
「過去にM&Aを実施した際に株式対価を検討したが、最終的に現金で実施した。理由は株主企業への課税が生じるため。株主の立場で考えた時に、手元に株式しか入ってきていないのに税引き後利益が下振れする点は、株主に説明が困難」など事業者の声も紹介している。
■参考:経済産業省|令和2年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】|
https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2020/zeisei_r/pdf/1_02.pdf