Y社の発行済株式(以下、「株式」)の90%を保有するX社は、Y社を独立させるため、他の株主が保有する計10%の株式を取得し、Y社を100%子法人とした上で、X社の株主に対し、持株割合に応じてY社株式の全部を現物分配(以下、「分配」)するとしている。
Y社株式の総数はX社株式に比して少なく、X社株式の保有数が少ない株主には1株未満の交付となるため、Y社に新株予約権を交付させ、分配前にX社が新株予約権を行使してY社の株式を増加させる予定で、他の株主は分配後に新株予約権を行使する。X社は以下の事実関係を提示し、この分配が適格株式分配に該当するかと問う照会を行った。○分配前にX社には他の者からの支配はなく、分配後にY社は他の者から支配を受けないと見込まれる。○分配前にY社の特定役員であった者は、全員が分配後も役員を務める。○分配の前日にY社に従事する者の80%以上は分配後も従事が見込まれる。○Y社の主要な事業は、分配後も継続が見込まれる。
関東信越国税局は、今回の分配は株式分配に該当するとし、その判断は分配後に他の株主によりY社株式が新規発行されるか否かに影響されないとした上で、上記4点は適格株式分配の要件全てを満たすとして、貴見の通りで差し支えないと回答した。
■参考:国税庁|現物分配法人の株主が新株予約権を保有している場合の適格株式分配(適格スピンオフ)該当性について|
https://www.nta.go.jp/about/organization/kantoshinetsu/bunshokaito/hojin/190531/index.htm