毎年就職シーズンになると、親戚や友人から身元保証人の依頼が舞い込む。借入金等の保証は大抵断る。しかし、身元保証は断ることなく(又は断れない)、過去に受けた義理人情を思い出しながら署名捺印する。
ところで、身元保証人は一体何の為に必要なのだろうか。そもそも、「身元を保証」の中身が良く分からない。一般的には、従業員が不始末により会社に損害を与えた時に、身元保証人に連帯保証して賠償してもらうというものである。根本的に考えると、例えば次のような疑問点がある。
(1)身元保証人が何について(対象)、どのくらい(金額)保証しているのか曖昧である。例えば、金銭貸借の連帯保証と異なり、保証する金額が無限である(2)業務上の監督責任は会社側にあり、身元保証人には監督責任も無ければその機会も無いのに無理な責任を負っている(3)近年、個人の人格や権利義務が重視され、成人の行動は自己責任とする風潮が高まっている。現在、新規採用に伴い身元保証を求める事が多いが、その必要性と効果を見直すべきではないか。尚「身元保証ニ関スル法律」によれば、身元保証期間は5年(更新も可能)、期間の定めがなければ3年(商工業見習者5年)となっている。期間を1~2年くらいに短縮したらどうだろうか。