企業会計基準委員会は現在の税効果会計に関する残された課題について検討しているが、その1つが「その他の包括利益に対する課税」についてだ。
会計上、その他の包括利益として計上されているものについて、連結納税加入時にその他有価証券が税務上時価評価された場合などにおいて、課税所得計算上、益金又は損金に算入されることにより、所得等に対する法人税、住民税及び事業税等が課される場合がある。この時の当該法人税、住民税及び事業税等について、その他の包括利益から控除して表示することが適切ではないかとの問題点が指摘されていた。
企業会計基準委員会では、税金費用は税金の発生源泉となる取引等に起因して生じるものであるため、その処理も当該取引等の処理と整合させ、所得を課税標準として課される税金については、損益(税引前当期純利益から控除)、その他の包括利益及び資本の各区分に計上すべきとの考え方を採用。したがって、当事業年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等の処理について、現行の損益に計上する取扱いから、当事業年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等を、当期純利益、その他の包括利益及び株主資本項目に区分して計上する取扱いに見直す方向としている。