政府税制調査会は先般の第28回総会にて、約6年ぶりとなる中期答申「経済社会の構造変化を踏まえた令和時代の税制のあり方」をとりまとめた。
「公平・中立・簡素」を基本とし、中長期的視点から各税目や税務行政が果たすべき役割を見定めるべく重ねてきた議論を踏まえて提示したもの。【人口減少・少子高齢化への対応】現在の世代が幅広く負担を分かち合う必要がある点、企業の負担については国際競争力への影響を考慮する必要がある点を踏まえ、消費税の役割が一層重要になる。【働き方やライフコースの多様化等への対応】人的控除への移行を進め、個人住民税は個人の選択に中立的な税制を、企業年金・個人年金も働き方の違いによらない税負担のあり方をめざす。
【経済のグローバル化やデジタル化等への対応】顕在化する税源浸食・利益移転に対し、引き続き国際的な合意に基づく解決策を模索する。連結納税制度は簡素化と、企業グループ内の各法人を納税単位とする制度設計を進める。【デジタル時代における納税環境の整備と適正・公平な課税の実現】ICTの活用により、利便性と正確性を向上させる。【持続可能な地方税財政基盤の構築】地方自治の基幹税である個人住民税、及び社会保障の安定的な財源である地方消費税の適切な確保をめざす。
■参考:政府税制調査会|経済社会の構造変化を踏まえた令和時代の税制のあり方|
https://www.cao.go.jp/zei-cho/shimon/1zen28kai1_2.pdf