「情報は関心を持っている人のところに集まる」と言われる。人と話している時、いつまでも話し続けたい人もいれば、徐々に話し続ける気が萎える人がいる。話し続けたくなる相手とは、当方の話を本気で聞いてくれる人である。その様子を具体化すれば、当方の話をメモしたり、相づちを打ったり、驚きの声を出したりと、体全体で関心を示しているような場合である。
また、経営者等に経営情報を話す際に経験するが、予定以上のノウハウを伝えてしまう事が珍しくない。つまり、相手の謙虚さに乗せられてしまうのだ。「他所では聞けないあなたの話にいつも敬服します」「この話を応用すれば新分野に進出が可能と思います」等々。逆に、受け手に謙虚さが無ければ、話が中断してしまう事もあり得る。
さらに、経営指導中の世間話(雑談)は、面談時間の相当割合を占める。筆者は、共感や信頼関係を築く重要な役割があると考える。ポイントは、思いつきの話題と単なる一般常識だけで終わらず、具体的なデータや将来予測の裏付け等(例えば、高齢化社会であればその比率や人口の推移を示す等)を予め準備する事だ。情報は、提供者から受け手へ一方的に流れるだけでなく、情報提供の工夫をする人のところにも、役立つ情報が予想以上に集まるものだ。