Weeklyコラム 大きな課題の優先順位

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日常業務の優先順位については、本コラムで数回取り上げた。簡単に復習すれば、重要度や緊急度が高い仕事を優先的に実施すれば、上位数項目の実施のみで全体の80%程の成果が得られるというものである。 

ところで、必ずしも日常業務ではないような経営課題も同じ手法で着手して良いだろうか。例えば、会社の財務体質改善、従業員の人材育成、新立地への出店、苦情処理の見直し等である。結論として、このような経営課題と日常業務では、優先順位の決定法が異なる。二宮尊徳の弟子・福住正兄が著した『二宮翁夜話』に、次の文がある(佐々井信太郎校訂、岩波文庫)。「草少く至て(=きわめて)手易き畑より手入して、至て草多き處(ところ)は、最後にすべし。是尤(もっとも)大切の事なり。至て草多く手重の處を、先にする時は、大に手間取れ、其間に草少き畑も、皆一面草になりて、何れも手後れになる物なれば、・・以下略・・」と。つまり、難しく手間取る仕事から着手すると、その他の易しい仕事まで悪化してしまう怖れがある。

経営課題の解決のような事柄は、比較的やさしい仕事から片付けて、徐々に難しい仕事と取組む方が合理的という事だ。時に、日常業務とは異なる優先順位の選択基準による事が必要かもしれない。