金融庁は「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)をまとめ公表。パブリック・コメントの募集を開始した。
金融機関の「融資に関する検査・監督の実務についての研究会」が平成30年7月以降に重ねてきた議論をまとめた。融資の観点から「金融システムの安定」と「金融仲介機能の発揮」のバランスの取れた実現を目指す当局の検査・監督の考え方と進め方を整理した。意見提出の締め切りは10月11日。同庁は、期間終了後も、幅広いステークホルダーと議論し、金融検査・監督の継続的な改善に努めていくとしている。
案は「金融機関の経営理念・戦略に応じた検査・監督」をうたった上で、金融機関の個性・特性(=全体像)を理解するとし、▽金融機関がどのような経営環境の中で、何を目指しているのか(経営理念)、そのためにどのような経営戦略や融資方針、リスクテイク方針を採用しているのか▽その上で、どのように金融仲介機能を発揮しようとしているのか、それに伴う健全性上の課題は何かを明らかにする(健全性と金融仲介は表裏一体)―などと要約。金融検査マニュアルに基づいて定着した現状の引き当て実務(主に過去実績を基に算定)は否定しない―などとしている。
■参考:金融庁|「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)への意見募集(10月11日まで)について|
https://www.fsa.go.jp/news/r1/yuushidp/20190910.html