新規学卒者の就職が著しく困難だった、概ね平成5年から平成16年に学校卒業期を迎えた世代を就職氷河期世代という。
現在、その中心層は35歳~44 歳となっており、本来であれば一線で活躍中であるはずだ。しかし、就職活動が思うようにうまくいかず、正規雇用を希望していながら現在は非正規雇用で働いている者は約50 万人となっており、この世代の約3.0%を占めている。また、非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者(就業を希望しながら、様々な事情により求職活動をしていない長期無業者を含む)は約40万人(同約2.4%)で、合計90万人もの正社員候補が埋もれていることになる。
政府はこの世代の就職支援は待ったなしの課題と位置づけており、各種広報活動や事業の展開を予定しているが、民間企業においてもすでにこの世代を対象にした中途採用活動の実施を表明する企業も出ている。山九株式会社では政府の動きに賛同し、この世代を対象にこれから3年間、毎年100名の採用枠を設けると発表した。中途採用社員とすでに所属している社員とどう融合させるかなど課題も少なからずあると考えられるが、埋もれた逸材の発掘に本格的に乗り出す企業も出始めているようだ。
■参考:厚生労働省|就職氷河期世代活躍支援プラン|
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000513529.pdf