ここ数年で外国人旅行者が急増するとともに、その利便性や収益性を高める為に、外国人店員も増えている。社会・経済環境が変化する時は当然かもしれないが、接客法や苦情処理法等も変化せざるを得ない。
例えば、東京にあるX店(宝石店)に苦情を持ち込んだお客様(日本人)が外国人店員の接客態度に不満を持ち、軽く腕と肩を突いた。外国人店員が同じ程度の反撃をして、後日店長から厳重に注意されたが、「私の国では正当な権利」と反論された。正当防衛の基準が日本とは違うようだった。さらに、外国語の間違いによるトラブルもよくある。ある時、外国人旅行者に不慣れな英語で対応したところ、支払の際に価格の不一致で言い合いになった。正確な価格は「6万円」であったが、お客様は「6千円」と聞いたので購入を決めたと言う。店員は価格の言い間違いを主張したが、お客様は既に6千円で契約が成立していると譲らない。
接客や苦情のマニュアルを作成・運用している店舗でも、まだ外国人客との対応マニュアルを作成していない店舗が一般だ。しかし、接客法や苦情処理法については、出来るだけ早期に、「外国人店員と日本人客」「日本人店員と外国人客(可能ならば国別に)」の対応方法を作成して、現場で教育しておくことが有効だ。