全国労働衛生週間は昭和25年以来、今年で70回目の開催となる。この活動は自主的労働衛生管理活動を通じて、労働者の健康確保についての役割を果たしているところではあるが、開催70回を経てもなお、労働者の健康確保には問題がある。
一般健康診断における有所見率は50%を超えている上、年々増加傾向にある。脳・心臓疾患・精神障害の労災認定件数は、ここ数年700件台で推移しており、自殺を含む死亡件数も少なくない。メンタルヘルスへの取組みやストレスチェック制度の運用についても伸び悩んでおり、労働者の精神的な悩みについて改善の余地がある状況だ。過重労働等により労働者の生命が奪われたり、健康障害やメンタルヘルス不調、病気療養中の労働者の治療と仕事の両立支援等、労働衛生分野における課題は山積している。健康であることは働く上での基本であることを、労使双方が再確認すべきだ。
厚生労働省及び中央労働災害防止協会は今年の全国労働衛生週間のスローガンとして一般公募(187件)から「健康づくりは 人づくり みんなでつくる 職場健康」を採用、10月1日から7日までを本週間、9月1日から30日までを準備期間として全国一斉に積極的な活動を行う予定だ。
■参考:JISHA中災労|令和元年度 全国労働衛生週間~「健康づくりは人づくり みんなでつくる健康職場」|
https://www.jisha.or.jp/campaign/eisei/index.html