前回24回の開催では、リーダーの志田康雄弁護士より、「民事信託の法務上及び税務上の問題点の検討」とした資料をご提示いただき、主に「元本受益権に対する課税の問題」をテーマにその解説と意見交換を行いました。
問題設定として、○元本受益権の相続税・贈与税上の価格は、当該相続財産の相続税上の価格から収益受益権の価格を控除した金額とされているため、これを活用して相続税負担の軽減ができるのではないかとする見解もある。○期間の到来や、収益受益権者の死亡等により信託が終了した場合は、元本受益者は、残余財産を取得し当該残余財産からの収益を受けとる権利(収益受益権)も遺贈等により取得したものと考え、贈与税、相続税を課税するのが合理的。相続税法9条の2第4項は、この趣旨を立法したものと解するべき。○元本受益権を取得したものは、残余財産の取得後は収益も享受できるのであるから、残余財産の取得による収受益権の移転に対する課税も通達で規定すべきであったのではないか、といった整理に基づき、メンバー全員で活発に意見交換されました。
第25回では、引き続き研究項目を設定し意見交換を加えながら、更に実例の相談対応や、メンバーから発表される事例の全体検討を行います。
■参考:JPBM|第25回民事信託検討会|
http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/file/file575.pdf