経済産業省は令和元年版通商白書をまとめ閣議配布した。
白書では、グローバル化の進展の現状やグローバル・バリュー・チェーン(GVC)の実態について明らかにするとともに、保護主義の歴史、貿易制限的措置の背景や弊害について多面的に分析、新たなルールベースの国際通商システム構築の必要性を論じている。また、日本の対外経済関係の現状と課題を分析し、特にアジアにおける日本の立ち位置を踏まえ、日本企業が目指すべき方向性を示した。
白書は「日本の製造業の生産の4分の1が海外で行われており、特にアジアで日系現地法人によって日本を起点とするGVCを展開している。国内製造業の輸出の過半は資本関係のある海外関係会社向け。現地法人からみれば、調達の2割強が基幹部品など日本からの輸入」とし、「ASEANにおける日本の存在感の縮小は投資面より貿易面で顕著。その背景として日本企業の現地進出、地場企業の成長、他国の供給代替等のほか、財輸出よりも配当やロイヤリティーで利益を得る日本企業のビジネススタイルの変化もある。名目GDPの拡大等、ASEAN側の成長・変化に起因するところも大きい」と分析。ASEAN・日本の相互関係の深化は世界の生産・消費市場で今後も存在感を増すとみている。
■参考:経済産業省|「令和元年版通商白書」を取りまとめました|
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190716004/20190716004.html