隠ぺい又は仮装は認められない 重加算税の賦課処分を取り消す

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相続人である審査請求人らが相続開始の直前に被相続人名義の預金口座から引き出された金員について、その一部が相続税の課税価格に算入されていなかったとして修正申告書を提出。原処分庁が更正を予知してなされたとして重加算税の賦課決定処分をするとともに、金員のその余の部分についても相続財産に当たるなどとして相続税の更正処分と重加算税の賦課決定処分等をした。

請求人らが全部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、重加算税の賦課要件を満たさないとして処分を取り消した。3月29日付裁決。

審判所は▽金員が被相続人の財産であることを請求人らが十分認識していたと認めるのは困難▽遺産分割協議書や申告書の作成にあたり当初申告代理人に対し被相続人名義の預金口座の残高証明書のみを提示したのは、預貯金通帳の提示や相続開始前後の入出金についての説明を求められなかったから▽過少な相続税額が記載された申告書を作成させたとは認められず、原処分庁の主張を根拠づける証拠もない▽請求人らが当初から過少に申告する意図を有し、外部からもうかがい得る特段の行動をしたとは認められない▽審判所の調査でも、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったとは認められない―とした。

■参考:国税不服審判所|重加算税の賦課決定処分取り消し事例(全部取消し・平成30年3月29日裁決)|

http://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html#a110_5