大卒者の3年以内の離職者数は平成16年の36.6%をピークに緩やかに減少傾向であったが、22年からはほぼ31~32%で横ばいとなっている。28年・29年3月の新卒者も1年目ですでに11.4%、11.5%が離職しており、勤め始めて3年で約3割が退職する状況に変化はないようだ。
先般、社団法人全国求人情報協会は若者の早期離職に関する調査結果を公表した。調査結果によると、大卒後3年以内に離職し転職した者の半数以上が、離職理由に「仕事内容への不満」を挙げていることが分かった。入社後3年未満で離職した者は30.5%、その後再就職した者を対象に離職理由を尋ねたところ「仕事内容への不満」が51.5%、「人間関係の不満」が40.9%となった。また、早期退職の有無に関わらず「現在の仕事に納得している人」は全体の25%ほどであった。
平成30年8月時点で正社員有効求人倍率は1.13倍と売手市場が続いている中、職務内容を重視し、不満に思う若者が離職していると考えられる。採用後の定着には、仕事内容を面談等で把握し各人のニーズと会社の戦略を合致させた人事戦略が必要とされる。それに伴い旧態依然とした賃金制度の見直しを迫られる企業も増えるだろう。