Weeklyコラム節約は万能ではない

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業績が悪くなった時、多くの会社が採る共通対策に経費節減がある。人件費をはじめ、光熱費・広告費・通信費・交際費等の節約を計画する。経理上、売上や粗利益が一定であれば、当然営業利益が増加する。

江戸時代ある村で、1人1食当り米1勺(1升の100分の1)を減じれば、3食で3勺、1ヶ月で9合、1年で約10升、全村民500人で年125俵の米が節約出来る、と考えて実践した。ところが、村民は食べたい米が十分に食えず、勤労意欲が無くなって米の生産量が節約量以上に減少してしまった。

会社の経費節減も、必要な人員を補充しなかったり、給与水準を下げたりすれば、通常は勤労意欲が低くなる。また、広告費や交際費等の営業経費を無闇に削れば、売上高が低迷するかもしれない。では、経費節減以外の回復策はどうすべきであろうか。昔の農村であれば、未開地の新田開発をしたり、地元特産物の掘り起しをしたり、教育により生活態度を勤勉にしたりすることではないだろうか。会社であれば、無駄な経費削減だけでなく、収益力を高めるような新商品開発や営業戦略策定等に努力するであろう。一般的に、守りの姿勢だけでは経営改善は進まない。やがて会社は危うくなる。むしろ積極的な改善策を工夫する方が効果的であろう。