厚生労働省は「平成29年版 働く女性の実情」を発表した。この報告は、政府や研究機関などの各種統計調査を用いて、働く女性の状況などを分析した報告書で、昭和28年から毎年公表しているものだ。
日本における女性の就労の実態として、就業を希望していながら働いていない女性が約300万人に上っていること、また、出産・育児を理由に離職する女性は依然として多く、その後の再就職では非正規労働者となる場合が多いことなどから、女性雇用者の半数以上は非正規労働者として働いていることなどがあげられている。
業種的に女性の割合が多いのは、「医療、福祉」、「宿泊業、飲食サービス業」となっており、採用した労働者に占める女性の割合はどちらも70%を超えている。業種全体での女性の割合の平均は39.8%だ。
少子高齢化に伴う労働力不足が懸念されている中で、就労を希望しながらも仕事をしていない300万人の女性の存在は、この問題の解決のヒントとなるだろう。国の政策としても「女性活躍推進法」(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」)が平成27年8月に成立、28年4月に全面施行された。女性の個性と能力が十分に発揮できる社会の実現が求められている。