法令の解釈適用を誤り違法 原判決破棄、差し戻す―最高裁

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京都市所在の4筆の土地に係る固定資産税の納税義務者が各土地につき、同市長により決定された土地課税台帳に登録された21年度の価格を不服として同市固定資産評価審査委員会に審査の申し出をしたところ、棄却する旨の決定を受けた。上告人が市を相手取り各決定の取り消しを求めた事案で最高裁第三小法廷は、上告人の請求を棄却した原判決を破棄し、本件を大阪高裁に差し戻した。

原審は、当該土地に接する街路が建築基準法42条1項3号所定の道路に該当する旨の市長の判定があること等を理由に、上記街路が同号所定の道路に該当することを前提とする登録価格の決定を適法とした。

最高裁は、本件街路が3号道路に該当するか否かは明らかでないとしながら、本件道路判定がされていること等を理由に、建築確認を受けることができないために本件各土地上に建築物を建築することができない事態となる可能性はないとして、本件街路が3号道路を前提とする本件登録価格の決定は適法とした原審の判断には、固定資産の評価等に関する法令の解釈適用を誤った違法があるとした。その上で、3号道路に該当すると認められるか否か、登録価格が評価基準によって決定される各土地の価格を上回らないか否か等についてさらに審理を尽くすよう求めた。

固定資産評価審査決定取消請求事件(平成30年7月17日・最高裁判所第三小法廷・破棄差戻)

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87876