経済産業省は30年版通商白書で在中国日系法人の展開状況と課題を取り上げ、▽日本のサービス業は欧米勢に比べ出遅れている。中間層・乳幼児・シルバー市場等、成長する中国の消費市場にはなお一層の成長余地がある▽中国での日本企業のさらなるビジネス展開や、第三国での日中企業協力により、成長を続ける中国の活力を日本の活力につなげていく必要がある―などの見解をまとめた。
中国に立地する日系現地法人の売上高推移を見ると、製造業の割合が多いのが特徴。個人消費関連サービスも伸びているものの、売上高は製造業の約30兆円に対して、約6,000億円規模にとどまっている。日米欧の現地法人の売上高を比較すると、日本は個人消費関連サービスの売上高が欧米に比べて小さい。中国では中間層・乳幼児・シルバー市場の拡大が指摘される中、欧米企業はすでにこの分野で売り上げを伸ばしているのに対して、日本企業の進出の遅れが目立つ。
白書は、世界で拡大するデジタル貿易の現状を紹介、同貿易が抱える課題について分析。また、新興・途上国の経済成長の特徴と、それに伴い生じ得る問題にメスを入れた。さらに、中国経済について、伸び行く消費市場でのビジネスチャンスの側面も含め多面的に分析している。
■参考:経済産業省|「平成30年版通商白書」をまとめました|
http://www.meti.go.jp/press/2018/07/20180710002/20180710002.html