調査着手174件、告発率7割 29年度の査察概要―国税庁

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国税庁は29年度の査察の概要を公表した。同年度は▽消費税の輸出免税制度などを利用した消費税受還付事案や、自己の所得を秘匿し申告しない無申告ほ脱事案▽国際事案や太陽光発電関連事案など近年の社会情勢に即した事案―に対して積極的に取り組み、消費税受還付事案と無申告ほ脱事案では過去5年間で最多の告発をした。

同年度に査察調査に着手した件数は174件で、前年度の178件を4件下回った。同年度以前に調査着手した査察事案について、同年度中に処理(検察庁への告発の可否を判断し処理)した件数は163件。うち検察庁に告発した件数は113件。告発率は69.3%で、前年度の68.4%を上回った。同年度に処理した査察事案に係る脱税額は総額で135億円で、前年の161億円を下回った。

うち告発分は100億円。告発した事案1件当たりの脱税額は8,900万円で、前年度の9.600万円を下回った。

業種的には「建設業」26件、以下「不動産業」「人材派遣」となった。同年度中に一審判決が言い渡された件数は143件で、すべてに有罪判決が出され、うち実刑判決が8人に出された。実刑判決のうち最も重いものは、査察事件単独に係るものでは過去最高の懲役7年6月(消費税法・地方税法違反)だった。

■参考:国税庁|平成29年度 査察の概要|

http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/sasatsu/h29_sasatsu.pdf