審査請求人が請求人の店舗でのみ使用できる商品券の販売について、資産の譲渡等には該当しないとして消費税と地方消費税の確定申告をしたところ、原処分庁が物品切手の譲渡に該当するとして消費税等の更正処分等をした。
請求人が原処分の全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は29年8月7日付で、発行会社から発行を受けた商品券の同一性を保持しつつ顧客へ販売しているから、消費税法別表第1第4号ハに規定する物品切手に該当し、当該取引は非課税取引物品切手の譲渡に該当すると裁決、原処分庁の主張を認容した。
請求人は、資金決済法上の自家型前払式支払手段に該当し、流通している商品券等には該当しないなどと主張。審判所は請求人と商品券発行会社が締結した契約について、▽契約上、発行会社が作成・発行した上で請求人に券面金額で販売、これを請求人が顧客に再販売するとされている▽請求人が購入代金を支払うまで、所有権は発行会社に留保される―などからみて、発行会社が発行、請求人に販売するものとして締結されたと認められるとした。さらに、発行者に義務付けられた前払式支払手段の手続きを実際に行ったのは発行会社だった事情等により、資金決済法上の発行者として発行業務を行っていたといえるとした。
■参考:国税不服審判所|商品券の販売は物品切手の譲渡に該当し、非課税取引とした事例(一部取消し・平成29年8月7日裁決)|
http://www.kfs.go.jp/service/MP/05/0202010000.html#a108