経済産業、厚生労働、文部科学の3省は共同で29年度ものづくり基盤技術の振興施策について報告書(ものづくり白書)を作成、閣議決定された。
白書は、製造業を取り巻く大規模な環境変化の中で、経営者が共通認識として持つべき4つの危機感を「総論」として明確に位置づけた。具体的には、▽人材の量的不足に加え、質的な抜本変化に対応できていない恐れ▽従来「強み」と考えてきたものが変革の足かせになる恐れ▽経済社会のデジタル化等の大変革期を経営者が認識できていない恐れ▽非連続的な変革が必要であることを認識できていない恐れ。その上で、製造業の主要課題に対する対応の方向性として、(1)現場力の維持・強化、デジタル人材等の人材育成対策(2)新たな環境変化に対応した付加価値向上―について論じている。
変革の足かせになる恐れとして挙げた例は、すり合わせ重視や取引先の意向偏重、品質への過信。非連続的な変革が必要な例は、自前主義の限界やボトムアップ経営依存など。経産省が執筆した第1部第1章では、人手不足下での生産性向上に向け、現場力再構築や品質保証体制強化のための経営力の重要性、価値創出に向けたコネクテッド・インダストリーズの推進の重要性などについて論じている。
■参考:経済産業省|「平成29年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)をとりまとめました|
http://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180529001/20180529001.html