経済産業省は、日本企業が今後、海外M&Aを有効に活用していく上で留意すべきポイントと参考事例をまとめた報告書と、特に経営者目線で重要なポイントを事例とともにまとめた「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」を公表した。
報告書は▽デュー・デリジェンスやバリュエーション、契約交渉といったディール実行に関わる専門的な知見やスキル、買収契約成立後の統合プロセスといった海外M&Aの実行力が重要▽実行の「前」の段階では、中長期の時間軸で自社の目指すべき姿を明確化し、そこから逆算して成長戦略に基づいて主体的・戦略的にM&Aの検討・準備に時間・人材等のリソースを投入。「後」の段階では、海外企業の優れた部分を積極的に取り入れた上で、自社をグローバル規模での成長が可能な経営体制へ変革させていくことが重要―と指摘。
行動は(1)目指すべき姿と実現ストーリーの明確化(2)成長戦略・ストーリーの共有・浸透(3)入念な準備に時間をかける(4)買収ありきでない成長のための判断軸(5)統合に向け買収成立から直ちに行動に着手(6)買収先の見える化の徹底(7)自社の強み・哲学を伝える努力(8)海外M&Aによる自己変革とグローバル経営力(9)過去の経験の蓄積により海外M&A巧者へ。
■参考:経済産業省|「我が国企業による海外M&A研究会報告書」及び「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」をとりまとめました|
http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180327003/20180327003.html