自民・公明両党はこのほど、30年度税制改正大綱を取りまとめた。今回から8週にわたって、その概要を解説する予定。個人所得課税の見直しについては具体的な方針が決定し、多様な働き方の拡大を受けて、どのような所得にでも適用される基礎控除に、負担調整の比重を移していくこととなった。
第一段階として、給与所得控除・公的年金等控除を10万円引き下げ、基礎控除を同額引き上げる。また、所得税の課税ベースを大きく浸食し、課題となっている給与所得控除を見直すため、給与収入が850万円を超える場合は195万円に引き下げる。ただし、22歳以下または特別障害者控除の対象となる扶養親族等が同一生計内にいる者には、負担増が生じないよう措置を講ずる。
さらに、公的年金等控除については、世代内・世代間の公平性を確保する観点から、公的年金等収入が1,000万円を超える場合、控除額に195.5万円の上限額を設けるほか、公的年金等収入以外の所得金額が1,000万円超で10万円、2,000万円超で20万円、控除額を引き下げる。基礎控除においては、所得再分配機能を高める「逓減・消失型の所得控除方式」を採用し、所得金額2,400万円超から逓減し、2,500万円超で消失する仕組みとなった。
■参考:自由民主党|平成30年度税制改正大綱|
https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/136400_1.pdf