去る12月8日(金)15:00~17:00三井住友信託銀行本店会議室において、第15回民事信託検討会が開催されました。参加メンバーの取扱い事例が増えている中で、今回は継続事例の後継ぎ遺贈型受益者連続信託の新たな局面と当事者間調整について報告されました。
かねてより委託者である父(不動産オーナー)の信託財産を長男、次男、そして次男の娘(孫)への後継ぎ連続の形で信託契約を取り交わしていましたが、公証人および債権者(地銀)の承諾を取り付けた矢先にオーナーが死亡。遺言もなく、長男が内縁の妻(外国人)と正式に婚姻した状況変化もあり、場合によっては紛糾も予想されました。ものを言ったのは、当初の信託契約書の説明で、私製証書ではあってもオーナーの意向および自筆・印鑑の入った書面を見て相続人全員が承諾・納得していたことです。契約内容の変更は委託者および第一次受益者を長男・次男・孫に改め、長男、次男の妻にも相応の配分の手当をして、最終的に孫に信託財産が収れんするスキームで全員の納得を得たとのことです。
今後増加が予想される高齢不動産オーナーの信託活用において、オーナー死亡時にかかる契約変更の一事例として、非常に参考になる報告となりました。次回開催は来年2月7日です。