厚生労働省は毎年、女性の能力を発揮させるための積極的な取組み(ポジティブ・アクション)、仕事と育児・介護との両立を支援する取組みを行い、社会的な模範となるような企業を表彰している。この制度は平成11年度から実施されており、先般、29年度の受賞企業が決定、均等推進企業部門に1社、ファミリー・フレンドリー企業部門に4社が選ばれた。いずれも大手企業だが、その取組内容は多くの企業にとって参考になるだろう。
均等推進企業部門に選出された企業(総合建設業)では、女性総合職の増加に伴い、女性の活躍を促すポジティブ・アクションを優先課題として設定。専任の組織を立ち上げるなどして、全国的に取組みを展開した。採用サイトでは各分野で活躍する女性社員を積極的に紹介、女性リーダー育成研修、ダイバーシティライン長研修の開催等を通じ、様々な取組みを行った結果、平成27年度に14.4%だった技術系総合職の女性採用割合が29年度には22.7%に、課長クラスの女性管理職については、27年度に3.2%だったが29年度には4.2%に上昇している。
同社の取組みはトップメッセージの発信や全国的な展開など、会社としての明確な方針を打ち出したことも奏効したようだ。