厚生労働省は有識者からなる「柔軟な働き方に関する検討会」を設置し、第1回検討会を開催した。この検討会は、働き方改革を進める上で、時間や場所を有効に活用できる働き方であるテレワークや、副業・兼業といった柔軟な働き方がしやすい環境を整備するためのガイドライン策定などに向けた検討を行うことを目的としている。
副業・兼業は、近年、希望者が増加傾向にある。一方、副業・兼業を認める企業は少ないのが現実だ。労働者の健康確保の問題や企業秘密の漏洩を防ぎたい企業側と、より多くの所得を求めたり、キャリア形成の一助にしたい労働者側のミスマッチが生じている。
大手通信企業では11月から社員の副業を認める制度改正を行うことが発表されている。就業規則にある「副業の原則禁止」規定を削除、技能向上や成長に寄与する副業を認めるが、本業に影響が出ないことが条件となっている。検討会でも副業・兼業のメリットを示し、本業への労務提供や事業運営、会社の信用・評価に支障が生じる場合等以外は合理的な理由なく副業・兼業を制限できないことをルールとして明確化する。同時に長時間労働を防止するガイドラインを策定、副業・兼業を認める方向でモデル就業規則を改定する。