経済産業省は30年度税制改正に関する要望をまとめ提出。第4次産業革命に対応した「攻めの経営・投資」の強化に向け、(1)事業単位のポートフォリオ転換等を促進する課税繰り延べ措置(2)株式対価M&Aの円滑な実施を可能とする課税繰り延べ措置の創設―を要望した。
同省は(1)の理由として、第4次産業⾰命に対応し、企業の迅速かつ⼤胆な事業再編を⽀援するため、事業単位のポートフォリオ転換(ノンコア事業の分離と、コア事業の強化のために新たな事業等の取得を⾏う積極的な取り組み)の円滑化を図る必要があると説明。32年度末までの時限措置として、産業競争⼒強化法に基づき事業再編計画の認定を受けた企業が「(a)ノンコア事業の売却」および「(b)コア事業分野の強化のための事業買収等」 の双⽅を⾏う場合、(b)の事業買収等の取得価格に応じた圧縮損の計上を可能とすることで、(a)の売却時の譲渡益の課税繰り延べ措置を講ずることを要望。
(2)については、⾃社株式等を対価とした事業買収は、先進国では⼤型買収案件などで⼀般的に⽤いられているとし、期限の定めはせずに、⾃社株式等を対価とした事業買収に応じた株主について、株式譲渡益・譲渡所得への課税の繰り延べ措置を講ずるよう求めた。
■参考:経済産業省|平成30年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】|
http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2018/pdf/01_11.pdf