東京商工リサーチの調べによると、2016年(暦年)に全国で設立された「合同会社」は2万3,704社で、前年に比べ1,723社、7.8%増加した。同年の設立法人は全体で前年比2.1%増の12万7,829社。「合同会社」は08年の調査開始来、8年連続で最多を更新。構成比18.5%も前年を0.9ポイント上回り過去最高。
産業別でみると、10産業のうち、金融・保険業を除く9産業で新設法人数が増加。構成比はサービス業他が41.0%でトップ。増加率トップは農・林・漁・鉱業で22.7%増。業種別でみると、社数のトップは不動産業で4,478社(構成比18.8%)。マイナス金利を背景に貸家などの不動産投資に積極的で、相続税対策を含めた不動産業進出に合同会社が選ばれているようだ。一方、電気・ガス・熱供給・水道業は前年比20.3%の大幅減。再生可能エネルギーの固定買い取り価格引き下げなどで太陽光バブルが弾け、減少傾向が顕著だ。
従来、中小・零細企業の受け皿は「有限会社」だったが、会社法施行で有限会社が廃止され、新たに合同会社が導入された。株式会社より設立時のコストが安く手続き期間も短い。税制面のメリットも大きく法人設立時に選ばれやすい。経営の自由度が高く、大手や外資系企業の設立も多い。
■参考:東京商工リサーチ|2016年「合同会社」の新設法人調査|
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20170828_01.html