知人が経営する寿司屋の改装に関連した話である。客席の改装をする為に300万円を用意して業者と相談したところ、600万円必要と言われた。そこで、業者からの提案で、客席ではなく創業時のまま使っている古いトイレを改装する事になった。改装後、宴会客や女性グループ客等が大幅に増加して、店主が驚くほど売上が伸びた。
現在、商店街活動の一つとして、商店のトイレ(時に家族用を含めて)をお客に開放するところが一部ある。従来から、飲食店・ガソリンスタンド・大型店等はお客用のトイレを備えていたが、一般商店は大抵無かった。コンビニが今日のように普及した要因の一つは、気軽にトイレが利用出来る事もあるようだ。特に、車客にとっては駐車場もあって大きな利便性がある。また、近年は多くのホテル・駅・公的施設・飲食店等のトイレが高級化されて快適な設備になっている。利用者の期待も高まり、公衆トイレ等の良悪がその街の文化レベル評価にも影響して、特に観光客のアンケート等では重要な評価基準になっている。
今後は、店舗等においてトイレが使えるか否かだけではない。高齢者・障害者・女性客等が使い易い設備(バリアフリー化)や衛生面・安全面の快適性等が、商売繁盛の成否に大きな影響を与えるであろう。