国税庁は先般、28年度の訴訟の概要を公表した。納税者は法律に基づいて受けた処分について、処分庁に対する再調査の請求及び国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の不服申立てをすることができ、それを経てなお不服があるときは裁判所に訴訟を提起することができる。
平成28年度の訴訟の発生件数の総数はほぼ横ばいの230件(対前年度比0.5%減)。昨年に続き、過去10年間で最も少なくなっている。課税関係の訴訟の発生件数172件(同8.1%減)のうち所得税は80件(同5.9%減)、法人税は昨年度と同数の38件、相続税・贈与税は28件(同22.3%減)、消費税は7件(同16.6%増)。一方で徴収関係の訴訟は54件(同38.4%増)と増加した。審判所関係は4件(同20.0%減)であった。
終結件数は245件で前年度から6.5%減少し、そのうち棄却が189件(構成比77.1%)を占めた。取下げ等(差戻し、移送なども含む)が25件(同10.2%)、却下が20件(同8.2%)。国側が敗訴したのは前年度の半数にあたる計11件となり、敗訴割合は4.5%と前年度より3.9ポイント減少した。うち一部敗訴は5件(同2.0%)、全部敗訴は6件(同2.5%)であった。
■参考:国税庁|平成28年度における訴訟の概要|
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2016/sosho/index.htm