小売店の店長等、現場責任者の職務に、苦情処理及びお客様の意見を収集・活用する事がある。特にお客様の意見は、随時聞き取る他、投書箱・アンケート・パートやアルバイト等から収集する事が多い。意見の中には、苦情と言えるものもある。
さて、お客様の意見を大きく三分すると、大体次のようになる。(1)店側は気づいていたか否かに関係なく、直ちには実行出来ない意見(2)同じく、店側が気づいていたか否かに関係なく、直ちに実行出来る意見(3)一つの意見又は要望としては尊重するが、店側は同意出来ない意見。以上の内(2)は、費用や大きな変革を伴わない事柄については、現場責任者の判断で受入れ、実行している事が実状であろう。
X社(衣料品小売業)では、苦情処理マニュアルの付属としてお客様の意見評価規程を用意している。第一段階は意見収集方法と留意点、第二段階は意見内容の分析手法と分類基準、第三段階は意見の実行可否と手順、第四段階は実施後の検証と評価である。お客様の意見は、収集体制を整備して、どんな意見も謙虚に聞く態度が大切である。さらに重要な事は、承った意見を仕事にどのように活用出来るか判定する事である。極論すれば、お客様の意見の活用が店舗の業績を左右する場合もあり得る。