労働基準関係法令違反企業公表 長時間労働削減への動き

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厚生労働省では長時間労働の削減は喫緊の課題として位置づけている。長時間労働削減に向けた取組みとして、「働き方の見直し」に向けた企業への働きかけや、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の徹底等を行っているところだが、この度、労働基準関係法令に違反し、一定の要件に該当した企業について、企業名及び違反の事案について公表した。一定期間(概ね1年間を予定)、 厚生労働省のホームページ上に社名や所在地、違反した内容が掲載されるため、企業側にとってのダメージは大きいと言えるだろう。

公表された事案を見てみると、労働安全衛生法や最低賃金法違反の事案が多い。安全な職場環境を確保せずに送検される企業が多いほか、休業4日以上の労災事故にも関わらず労働者死傷病報告書を未提出といった事案で送検されるケースも発生している。最低賃金法違反は主に賃金の未払いに関する事案だ。労働基準法関係では解雇予告手当の未払いで送検されるケースもあったが、多くは36協定に関する違反事案となっている。中には「労働者1名に、36協定の締結・届出なく違法な時間外・休日労働を行わせたもの」という事案もある。36協定未締結・未届出企業は速やかに対応すべきだろう。