東京商工リサーチが発表した「チャイナリスク関連倒産調査」結果によると、2016年度(昨年4月~今年3月)の倒産は前年度比30.5%減の84件だった。負債総額は574億6600万円で、大型倒産が無かったため、同77.2%の大幅減となった。
上半期(昨年4月~9月)は45件(前年同期比19.6%減)だったのに、下半期(昨年10月~今年3月)は39件(同40.0%減)にとどまった。特に、12月以降は10件を超えた月は無かつた。商工リサーチでは「後半にかけて日本企業の倒産は沈静化した」と分析。
ただ、16年度を業種別で見ると、「繊維・衣服等卸売業」「繊維工業」、「織物・衣服・身の回り品小売業」などアパレル関連が38件(構成比45.2%)と半数近くを占めた。アパレル関連企業は、安価な労働力や仕入れ価格の抑制を求めて中国に移転してきたが、中国国内の人件費高騰など「コスト高」が収益を圧迫し、行き詰まるケースが増えているという。商工リサーチは中国政府が「小康社会」の実現に向け20年までに個人所得を10年比で倍増させる計画を打ち出していることなどから、人件費高騰が一服する可能性は低く、「今後もアパレル関連企業を中心に日本企業の一定数の倒産は避けられない」とみている。
■参考:東京東商リサーチ|「チャイナリスク」関連倒産調査(3月・2016年度)|
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20170410_05.html