企業グループ内で行う共同株式移転で、移転前に株式移転完全子法人と他の株式移転完全子法人の間に当事者間の支配関係がない場合、移転後に同一の者による「完全支配関係」となるのか、単なる「支配関係」にとどまるのかについての事前照会に対し、名古屋国税局は3月8日付で文書回答した。
【照会概要】A社はB社およびC社の親会社。C社はD社を割当先とする第三者割当増資を行い、増資後にB社とC社は共同株式移転を行い、中間持ち株会社(株式移転完全親法人)を設立する予定。増資株式は議決権を有しない。移転前、A社はB社とC社の議決権株式の全部を保有しているが、C社の発行済み株式の全部は保有していない(80%を保有)。移転後、A社は中間持ち株会社の議決権株式の全部を保有するが、発行済み株式の全部は保有しない(90%を保有)。
【回答概要】完全支配関係または支配関係に該当するか否かの判定は、保有する発行済み株式等の数により行う。株式移転前、AB社間には完全支配関係があるが、AC社間にはない。したがってBC社間に完全支配関係はなく、支配関係がある。移転後は、AB社間およびAC社間にA社による支配関係が継続することが見込まれ、一定の要件を満たす場合には、株式移転は適格株式移転に該当する。
■参考:国税庁|議決権のない株式を発行した場合の完全支配関係・支配関係について|
http://www.nta.go.jp/nagoya/shiraberu/bunshokaito/hojin/170321/index.htm