名義貸し行為の未然防止へ 税理士法改正受け指標-日税連

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日本税理士連合会はこのほど、「名義貸し行為の指標(メルクマール)について」を公表した。名義貸しに係る懲戒処分件数が増加する状況のもと、26年の税理士法改正における「非税理士に対する名義貸しの禁止」の新設を受け、綱紀監察部が1月にとりまとめたもの。この中では、名義貸し行為となる指標として、税理士が自らの判断で税務書類を作成していないことなどを挙げ、以下のような事例を示している。

1)税理士Xは4年間にわたり、無資格者のAが作成した法人税、所得税、消費税および地方消費税の確定申告書に署名押印を行っていた。Xは自分が最終的に確認した上での署名押印であれば問題ないと思っていたが、Xが自らの判断に基づいて作成したとはいえず、名義貸しに該当する。

2)税理士Yは勤務実態のない無資格者Bを使用人と装い、Bが作成した所得税、消費税および地方消費税の確定申告書の内容をなんら確認せずに署名押印を行っていた。申告書はXの判断で作成されたものではなく、実質的に使用人といえないBに自己の名義を利用させた名義貸しに該当する。そして最後に、税理士に対して、自らの行為が名義貸しとならないかという意識と、良識ある判断に基づき、未然防止に努められたいと結んでいる。