今回の改正では、経済活動のICT化の進展等を踏まえ国税犯則調査の手続きを整備し、同時に規定を現代語化した上で国税通則法へ編入する等の見直しが注目される。電磁的記録に係る証拠収集については、以下の手続が可能となる。
(1)パソコン等の差押えに代えて、データをCD-R等に複写・移転・印刷し、そのCD-R等を差し押さえること(2)外部サーバ等に保管されている一定の電磁的記録を差し押さえ対象のパソコンに複写し、そのパソコンを差し押さえること(3)サーバの管理者等に電磁的記録を記録・印刷させたCD-R等を差し押さえること(4)プロバイダ等に対し、通信履歴の電磁的記録について、原則30日を超えない期間を定めて保全要請すること。また、臨検等について、許可状に夜間でも執行可とする旨の記載があれば、日没後も開始できることとなった。上記の改正は来年4月1日に施行の予定。
このほか、士業法人の社員に対し第二次納税義務を賦課できるよう整備がなされた。また、各税共通の手続きについて、異動届出書等や所得税の納税地の変更、給与支払事務所等の移転、連結子法人の本店移転等を含む異動届出書等を納税地等の異動前の所轄税務署長への提出で足りるとするなど、様々な簡素化が進められる。
■参考:財務省|平成29 年度税制改正の大綱(平成28年12月22日閣議決定)|
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2017/20161222taikou.pdf