マイナス金利の取扱い ゼロでもマイナスの利回りでも

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企業会計基準委員会(ASBJ)は、実務対応報告の公開草案となる「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い(案)」を決定した。平成3月3日まで意見募集し、3月末までには正式決定する。

退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、利回りの下限としてゼロを利用する方法とマイナスの利回りをそのまま利用する方法のどちらを利用してもよいとの取扱いとなっている。内容的には、同委員会が平成28年3月に公表した「マイナス金利に関する会計上の論点への対応について」と題する議事概要と同様の取扱いだ。適用は平成29年3月31日に終了する事業年度から平成30年3月30日に終了する事業年度までの1年間に限定されている。

なお、平成30年3月31日以後に終了する事業年度の取扱いに関しては、2つの方法のいずれかを採用するか定めたガイダンスを公表する方向で引き続き企業会計基準委員会で検討する。ただし、検討の進捗状況によっては、今回の実務対応報告の取扱いを平成31年3月期以降も継続する可能性があるとしている。