アルバイト従業員めぐるトラブルが後を絶たない。フランチャイズの飲食店で大学生のアルバイト従業員が4ヵ月連続勤務を強要されたり、暴力を振るわれていたとして訴訟となっていることがメディアを賑わせたが、現実問題として「使える」アルバイトにしわ寄せがいきがちなのも事実だ。
正社員並みの働きができる能力の高いベテランアルバイトの存在は、事業場にとって有益なのは言うまでもない。人手不足をそのようなアルバイトに過度に依存することで乗り切ろうとする事業場は少なくない。平成24年、日用家具レンタル会社に勤務していた当時38歳の男性アルバイト従業員が不整脈で死亡した。労働基準監督署は平成25年に過労死認定したが、その後、会社の責任を巡って訴訟となった。先日、大阪地裁により業務と死亡との因果関係が認められ、会社側に約4,800万円を支払うよう判決が下された。
この男性は同社で平成9年からアルバイト勤務を続けており、いわばベテラン。仕事を任せられるからと言って従業員の健康状態を管理しなかったりして、過重な労働を課すのは大きな問題となる。使いやすいからといった安易な考え方でアルバイト従業員の健康状態を軽んじることは厳に慎むべきだろう。