いつの時代も、好機を捉えて繁盛店を作る人はよく見かけるが、残念ながら繁盛しているうちに撤退出来る人は少ないようだ。物事は順調に進んでいると感じた時が本当は撤退の好機と言われる。特に好運が予想以上に長く続いていると思ったら、根本的に反省してみる必要があろう。特定の人(会社)にずっと好運が続くということは絶対無いからである。商売や勝負事等においても勝ち続けている時が撤退の最も好機であり、兵法書や戦記物等によると有能な将軍や軍師は攻撃よりも退却が上手と言われる。しかし、順調な時に普通の人が素早く撤退することは非常に難しい。
特定の商品の売れ行きや店舗の売上高が順調であっても、例えば次のような現象が現れたら、躊躇することなくその商品の取り扱いを止めたり、退店(規模の縮小)したりすることを検討したらどうだろうか。
- 特定商品又は店舗売上の上昇が止まり、横ばい傾向が一定期間続いた。
- 特定商品やサービスに対する苦情件数が増加し、苦情内容が複雑になった。
- 商品や店舗間の競争が目立つようになり、新規参入者(特に大型店や異業種からの参入)が急増した。
- 仕入商品の価格又は販売価格が低下して、安売りが目立つようになった。