外国子会社合算税制見直し案 受動的所得は合算で課税か

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財務省は先般、外国子会社合算税制の見直し案を示した。昨年のBEPSプロジェクト最終報告書を受けたもので、来年度税制改正での対応を目指す。わが国の同税制では現在、税負担の水準が20%未満(トリガー税率)の外国子会社等のすべての所得を日本の親会社の所得に合算して課税しているが、外国子会社等に経済活動の実体があり適用除外基準(事業基準・実体基準・管理支配基準・所在地国基準又は非関連者基準『卸売業・保険業など7業種』)を満たす場合は適用されない。

つまり、トリガー税率以上であれば経済実体を伴わない所得であっても合算されず申告も求められない。外国子会社配当益金不算入制度と相まって、知財・金融資産等や事業を形式的・表面的に外国子会社へと移転し、得られた所得を配当として日本に戻すことによる課税逃れが可能となる。

財務省案ではトリガー税率に代わり「制度適用免除基準」を設定し、子会社が商品の製造・販売、サービスの提供による対価の獲得等、経済実体がある事業から得た所得(能動的所得)については合算対象外とし、一方で一定の金融所得や実質的活動のない事業から得られる所得等、経済実体がない受動的所得は親会社の所得に合算し日本でも課税するとの方向性が示された。

■参考:内閣府|第4回税制調査会|

http://www.cao.go.jp/zei-cho/chukei/