安倍内閣が提案する「働き方改革」では、「同一労働同一賃金」、「時間労働の是正」、「高齢者の就労促進」、「テレワークなど柔軟な働き方の促進」があげられている。このうち、以前から課題にあがってはいるものの、なかなか普及が進んでいないのがテレワークだ。テレワークはITを活用することで、会社に出社せず、サテライトオフィスや在宅で勤務が可能となる制度だが、思ったように普及が進んでいない。
「テレワーク人口実態調査」によると、在宅型テレワーク人口は東日本大震災の影響により2012年に約930万人で最多となって以降、減少傾向にある。2014年は約550万人だ。
総務省では7月にテレワークウィークを実施、昨年度実績1,078名のテレワーク利用職員を1,300名規模に拡大することを目標とした。また、神奈川県庁も来年3月まで在宅型テレワークを実施し、使い勝手やセキュリティについての検証を行うことにしている。テレワークはIT投資が必要なこともあり、中小企業においては普及が進んでいない。しかし、今後の労働力人口の減少を考えると、労働力の確保は企業の死活問題となる。育児や介護の合間に仕事ができるテレワークは、その解決策の1つとして有効な手段だ。