Weeklyコラム 強さが失敗を招く

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樹木の堅い枝は暴風や大雪で折れてしまうが、柔らかい竹は簡単には折れないものだ。人も万事同様かもしれない。例えば、ケンカが少々強い人は、ケンカを恐れないからケガをしたり、警察に検挙されたりする。体が強い人は、仕事や飲食に無理をして病気になったりする。このように、人は少し強い事、自信のある事、得意な事等を恃(たの)んで失敗を招くことがよくある。

X社(生活雑貨の製造及び卸売業)は、特徴のあるアイデア商品開発によって大きく売上を伸ばしてきた。従来品は粗利益率が低く、取引先管理や新規開拓にはあまり関心を持たなかった。ところが、売上高が最高の自社開発商品によって欠陥事故が発生した。商品の回収費や賠償金等によって、莫大な損失を計上。他のアイデア商品の売れ行きが激減し、既存取引先を維持する営業力もないため経営破綻してしまった。

経営において、強い何かを持っている場合、次のような点に留意が必要だ。(1)経営管理の失敗共通点は、強みに依存して用心が足りないことと、基本的な活動(取引先管理やコスト管理等)を軽視することである(2)経済は日々変化する。順調な時こそ、次の布石を用意すべきである。某大企業では、大きく育った商品は出来るだけ早く手放し、次の商品開発に進むそうだ。