独立行政法人労働政策研究・研修機構は、従業員規模30人以上の企業12,000社を対象にした人手不足の実態調査の結果を公表した。この調査は、企業とそこで働く労働者を対象にして行われ、2,406社、7,777人の労働者から回答を得ている。人材不足についての企業の回答では、大いに不足とやや不足を合計すると43.1%、適当は39.2%となった。
そのうち、正社員については不足が44.7%で最多となっているが、一方、非正社員については適当が52.5%で最多となっている。非正社員については、過不足について機動的な調整が行われている可能性が高いと言えるだろう。業種別に正社員の不足感を見ると、運輸業・郵便業や情報通信業、宿泊業・飲食サービス業が高い傾向があった。また、業績との関連性で見ると、売上高の増加幅が大きい企業ほど正社員の不足感が強い傾向があり、業績の向上と人材確保のミスマッチが生じていることがうかがわれる。
結果的にそのような人材不足が職場に与える影響については、時間外労働の増加や休暇取得数の減少が69.8%で最多、従業員間の人間関係や職場の雰囲気の悪化、教育訓練や能力開発機械の減少、従業員の労働意欲の低下、離職の増加等が続いている。