東京証券取引所は決算短信の見直しを行う方針を金融審議会の「ディスクロージャーワーキング・グループ」で明らかにしている。今回の見直しは、麻生金融担当大臣が昨年10月、金融審議会に対して、企業の情報開示のあり方等に関して検討するよう諮問していたもの。同審議会では、平成28年3月中にも報告書を取りまとめる方針であり、東証の取り組みもこの一環である。
見直し案では、原則として、決算短信を速報情報として必要不可欠な「サマリー情報」「経営成績等」「財務諸表」に限定する。「経営方針」や「継続企業の前提に関する重要事象等」については、有価証券報告書に記載されているため、今後は記載不要とする。ただし、例外として、「会計基準の選択に関する基本的な考え方」など、上場政策上の目的で決算短信において記載を求めている情報は今後も記載を求める。
また、「経営成績等」については、現行、分析的な記載を求めているが、速報的な要素の観点から概況の記載にとどめる。「財務諸表」に関しては、財務諸表の精査が完了していない場合で、これを開示しなくても投資判断を誤らせない場合であれば「財務諸表」の添付を求めないとの取扱いを認める方向だ。