Weeklyコラム 引き貯金の発想

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Weeklyコラム 引き貯金の発想

本多静六(林学者・造園学者、1866-1952)の教えに、「月給四分の一天引き貯金」があった。本多静六は学者を続けながら月給からの天引き貯金を実行し、山林の購入や株投資等によって大きな財産を築いた人だ。 人が月給を得るようになると、大きく分けて毎月少しずつ貯める人と足りなくて借金をする人とがいる。貯蓄又は借金が毎月1万円ずつであっても、10年後には大きな差になる。借金をした人の一部は破産しているかもしれない。会社も同様で、無計画な借金を続けていればやがて破綻することは当然ながら、たとえ適正利益を毎期計上していても、その使い方が無計画であれば同じ運命をたどるであろう。例えば、ある会社が毎期4千万円の税引き後利益(売上高10憶円と想定)を上げていても、大きな借入金と設備投資等を漫然と繰返していれば経営が行き詰まることがよくある。一定の利益を計上している会社が実行すべき最低限の防衛手段としては、利益の一部(理想は四分の一)を預貯金で貯めて行くことである。例示の会社であれば、10年で1億円以上の貯蓄が出来るはずだ。この貯蓄は毎期決算後に天引き貯金のように別枠で管理し、資金繰り計画においても緊急時以外は無いものとして扱うのである。