企業会計基準委員会はこのほど、「収益認識に関する包括的な会計基準の開発についての意見の募集」を公表した(5月31日まで意見募集)。今回の意見募集は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」と同様の収益認識会計基準を日本に導入した場合の適用上の課題や今後の検討の進め方に対する意見を求めるものである。この点、連結財務諸表だけでなく、個別財務諸表に適用した場合についても検討の対象範囲となっていることに留意したい。
意見募集では、主に収益認識の金額や時期に影響を与える可能性のある主要な論点として、「契約の変更」や「一定の期間にわたり充足される履行義務」などの論点を挙げて説明を行っている。このうちの1つの論点では、IFRS第15号によると、履行の進捗度を合理的に測定できない場合には工事原価回収基準によるとされているが、日本基準において進捗部分について成果の確実性が認められない場合には、工事完成基準となるため、収益の認識の時期が異なる可能性があると指摘している。
なお、同委員会では、IFRS第15号の強制適用日である2018年1月1日以後開始する事業年度に日本でも適用が可能になるよう検討を行う方針だ。