日本政策金融公庫総合研究所が訪問・通所介護事業を営む企業を対象に実施したアンケート調査で、(1)小規模な法人で赤字の割合が多い(2)介護報酬改定の影響は小規模な企業ほど大きい(3)人材の確保は、企業内のコミュニケーションと介護の質がカギとなる(4)3割が事業の拡大を検討している―ことがわかった。
経営実態は4割超が赤字。特に、訪問介護の場合は従業者数4人以下の企業、通所介護の場合は同9人以下の企業で、それぞれ赤字の割合が黒字の割合を上回った。
2015年の介護報酬改定の影響に関しては、改定後、訪問・通所介護以外のサービスも含めて介護報酬が減少した企業の割合が57.6%に上った。減少幅は小規模な企業ほど大きく、従業者数4人以下の企業では15%以上減ったとする企業が26.9%を占めた。介護職員や登録ヘルパーが足りていないとする企業の割合は58.5%。人材が足りているとする企業では職員やヘルパーの定着率が高く、企業内のコミュニケーションを深めたり、介護の質を高めたりすることに取り組んでいるものが多かった。事業を拡大したいとする企業の割合は、訪問介護で30.3%、通所介護で28.3%。撤退や縮小を考えている企業も前者で8.6%、後者で8.4%あった。
■参考:日本政策金融公庫|訪問・通所介護事業者の4割超が赤字「訪問・通所介護事業に関するアンケート」~結果の概要~|
https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_160126b.pdf