今度の改正において、個人所得課税については2つの特例の創設が注目される。【空き家に係る譲渡所得の特別控除】空き家の売買を促すため、相続の直前まで居住の用に供されていた家屋及び土地等を相続した個人が、相続の開始以後3年を経過する日の属する年の12月までの間にそれらを譲渡した場合に、その譲渡所得について3,000万円の特別控除が適用されることとなった。
昭和56年5月以前に建築された家屋が対象で、譲渡までの間に使用していないことが条件。区分所有建築物は除かれ、譲渡額は1億円を限度とする。本年4月から、平成31年12月までの売却について適用される。
【住宅の三世代同居改修工事等に係る特例】子育て支援策の一環として、三世代同居改修工事に係る工事費用(上限250万円)に相当する住宅借入金の年末残高の2%を所得税額から控除することとなった。台所、浴室、便所、玄関のいずれかの増設(改修後に2つ以上が複数となる)を行い、費用が50万円を超える工事が対象で、工事後、本年4月から31年6月までの間に居住の用に供することが条件。償還期間5年以上の住宅借入金に適用され、控除期間は5年とされた。現金で支払う場合は、改修内容に応じた標準的な工事費用相当額の10%の控除となる。
■参考:財務省|平成28年度税制改正の大綱|
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2016/20151224taikou.pdf